けっこんについてうだうだと語った会(2020,06,05)

養子は1万人でもとれる!とか、男女平等に耐えられなくて田舎に帰った話とか、非婚界隈の出生届結婚離婚RTAの話などが出たので、ご査収ください。


目次
・今回の目的 ── なやましい「結婚」
・結婚するかどうか決める基準を教えて!

 (結婚のメリットは税金控除? / 措置入院? / 苗字を変え「られる」という視点 / etc.)

・結婚して「おめでとう」と言われたい人以外にかける言葉を考えたい

・人生で選べる家族は? ── 養子1万人計画

・戸籍のはなし(バグ技パスポート / 3種届出RTA)

・男女平等に耐えられなくて地元に帰る人 東京と地方の意識差

・その他 補足

・今後やっていきたいこと



なやましい「結婚」

わたしは大学生ですが、親から「結婚して」とことあるごとに言われます。

また、最近結婚なさった女性の先輩は「早く不倫したい」と言っているし、数年まえに社会人になった男性の先輩は、露悪趣味を演じつつも結局なんだかんだで彼女や結婚にこだわっているようです。

母親は昔、「子供が欲しくて結婚したけどすべて間違えた」と繰りかえし言って離婚届を何度も役所に取りにいっていましたし、知人の女性は「戸籍制度に反対の立場だけど税金控除目的で結婚する」と述べてくださいました。

わたしの好きになった人は5人中3人が親の離婚もしくは再婚を経験しています。そもそも「一生結婚しない」と言ってずっとシェアハウスで暮らしている知人もいます。

職業の強い男女差別と昭和の強固な家制度を経験している80過ぎの祖母なんかは「女の幸せは結婚相手で決まっちゃうから頑張ってえらぶのよ」と心から善意でアドバイスをくれます。

いま18~24歳くらいの、まわりの友人たちはバラバラです。「おおきくなったらすてきな旦那さまとけっこんしてせんぎょうしゅふになるの!きゅるん☆」みたいな未来予想図を幼稚園時代からずっと信じ続けているような人もいれば、「絶対に結婚しないし子供も産まない」と決めている友人もいます。

また、「絶対に結婚する or しない」という確定事項ではなく、機や人生の転換に合わせて柔軟に決めようと考えている友人も多いです。祖母のような「え?女は結婚するものでしょ」みたいな価値観はやはり相当薄らいでいる気がします。

そのへんの研究、新書は探せばいくらでも出てくるわけですが、とにかく今回の目的は「こうした時代の変遷にともなって、どうやって自分で生きかたを決めよう?」といったもやもやする考えごとを、少しみんなで共有してみようというところにありました。

結果的にさまざまな制度のバグ技知識があつまり、結婚に対するおもしろい観点や、経験者からのメリット・デメリットなどを聞くことができました。

どれほど参考になるかはわかりませんが、同年代かそれ以上、以下の方にとっても少しでも選択の一助となればいいなと思います。


ちなみに参加者は、大学生5名、社会人(未婚)6名、社会人(既婚)2名の計13名で、身体的性別は女性10名、男性3名でした。

それなりにいろいろな方からお話が聞けたかな、とは思います。


では、いざ! 本編へ ↓↓



①結婚するかどうか決める基準を教えて!


Q. 結婚欲求はないけれど明確に拒否する理由もないなかで、おつきあいしている人に「嫌じゃなければ結婚したい」といわれる。家父長制は嫌いだけれど結婚制度自体を全否定したいわけではないし、パートナーは結婚したいらしい。しかし自分には結婚欲求がない!「嫌じゃなければ」と言われても、特にやりたくもないことを相手に合わせてするのか? ほかに何か結婚するかどうか決める基準はないのか? みなさんはどう決めた / 考えているの・・・?


場:結婚のメリットとデメリットを考えてみよう

意見

・片方が扶養に入るのなら結婚の節税効果はかなり高い。国民年金と国民健康保険で3万円/月 程度節約できる。しかし共働きでは殆どメリットがない。
・結婚の経済的なメリットは控除以外に何かある? → ほとんどないです(体験談)
・人間を措置入院させられるのは家族だけ!(精神保健福祉法第 33 条)
・名字と身分証IDを変更することで私企業からの追跡を免れて、過去のもろもろをキャンセルできるメリットはあるかも
・結婚する気があるなら会社を作る前に結婚したほうがいい。名前を変える場合、会社を作っているとあらゆる方面で手続きが必要になるから(会社を作る前提の意見!?)


結論

自分や相手を措置入院させる可能性を考えるなら結婚したほうがいい(それ以外でも「戸籍制度」を基盤にしている責任事項は色々ありそうですね)

・私企業や親、元カレ、旧友など過去からの追跡を逃れたい理由があれば結婚してもいいかも
・扶養控除のメリットが大きいので共働きでない、もしくは収入が不安定などなら結婚すると助かるかも(月3万!)
・会社を作る予定があるなら、後で結婚したくなった場合に手続きが面倒なので先に結婚してしまったほうが良いかも(自分の名前で論文を発表する研究職なども当てはまるかな)


相談者のコメント:精神病も無職および非正規雇用ならびに「過去からの追跡を逃れたいシチュエーション」も意外とありふれていますので、特定条件下での様々なメリットを知ることができてすこし結婚に心が傾きました。



②結婚して「おめでとう」と言われたい人以外にかける言葉を考えたい


Mさん 「つい先週結婚したんですよね」

Tさん 「おおっ、おめでとうございます!」

Mさん 「いや、ぜんぜんおめでとうではないんですけどね」

Tさん 「あ、そっか。戸籍制度には反対だけれど税金控除目的で結婚するっておっしゃってましたね」

Mさん 「金がなさすぎて理想が経済に負けました。特別研究員給与が切れて今パートナーが無職なので。ぜんぜんおめでたくないですね」

Kさん 「結婚して、おめでとうと言われたい人以外にかける言葉を考えたいなあ」

Tさん 「たしかに。つい気軽におめでとうございますって言っちゃうけれど、結婚がべつにおめでたくないって人はよく考えたら一定数いますよね」

Sさん 「政略結婚....................」

Kさん 「少なくとも扶養目的婚は『節約おめでとうございます』で良さそう


結論:「節約おめでとうございます」!



③人生で選べる家族は? 養子1万人計画


養子に人数制限はない!


Tさん 「遺伝子をのこしてほしい、墓を継いでほしいって言われるんですよね。親に........」

Mさん 「まだ大学生でしょ!?」

Tさん 「そうなんですけど、まあ......なんか........昔から言われる.......小学生くらいから」

Mさん 「親は選べないからね.......親も子供を選べないし。そう考えたら人生で選べる家族って夫だけだし、あれ、そういう意味では結婚したほうがいいんじゃない?」

Hさん 「いや、選べる家族なら養子制度もあるよ。養子1万人とかとれるよ」

一同 「養子1万人?」

Hさん 「一日でも遅くに生まれてれば養子にとれる! 扶養義務はあるけど人数制限はない。1万人で映画シェアしても家庭利用になって著作権法に問われない」

Mさん 「なにそのバグ技............」

Hさん 「法律の穴だね。僕も養子1万人くらいとろうかな」

Tさん 「養子1万人計画..........」


養子制度のラフな活用

?さん 「そういえば妻の妹を養子にしてる人がいましたね」

Dさん 「え、それ子供が生まれたら母親の妹と姉妹になるってこと?」

?さん 「そうなるね」

Mさん 「わたしも、夫と友達を養子にとろうかって話してるんだよね~」

Tさん 「友達を養子に.........! 面白い!」


気軽に家族化!


緊急時の連絡先に家族以外の選択肢が欲しい


Kさん 「しかし、何かあったときに連絡先になってくれる人って Facebook の『信頼できる友達』指定くらいで良いと思うんですよね。3人くらい揃うと、乗っ取られてパスワードを変えられたアカウントでも復旧できたりするし」

Tさん 「あ、わたし入院したとき親に連絡させられましたね」

Tさん 「法律で決まってるとかじゃなくて、どうやら病院側としては、あとから家族に『なんで連絡しなかったんだ!』って訴訟されたら裁判で絶対負けるかららしくて」

Tさん 「家制度が強すぎませんか?」

Kさん 「まあ、なんか、家族より緊急時に連絡したい友達とかいても対応できないし、不便だよねえ」

Mさん 「いやほんとね、家に連絡できない子とかどうするんだろうね」




④戸籍のはなし



パスポートのバグ技


Sさん 「でも、国的には結婚ってシステムが完全になくなるのは少し厳しくないですか。緊急連絡先とか」

Tさん 「でも世界的に戸籍制度ってもうほとんどなくなってる......? んでしたよね?」

?さん 「あれ、台湾? だけ残ってるんだっけ」

Bさん 「いや、韓国も台湾もなくなってる。世界で日本が最後」*章末に追記

Mさん 「わたし、パスポートが旧姓のままだから、結婚して苗字変わっても身分証明を全部パスポートで申請してて、なにもかも元の名前のままなんだよね」

?さん 「え、それって可能?」

Bさん 「パスポートネームと戸籍は一致してなくても大丈夫だよ。在日の方とかも戸籍の名前と通名が違うし」

Bさん 「もし更新するとき怒られるんだったら、パスポート更新するときだけ別れてまた結婚すればいいってのもあるよね。元の苗字のパスポートとれるし」


*戸籍制度について
中国人留学生の友人から、「戸籍制度は世界で日本が最後」について追記をいただきました。
まず中国にもまだ戸籍制度は残っている
次に戸籍制度は中国発祥の東アジア特有の制度である
そのため「世界で日本が最後」という表記には強く違和感を覚える と
中国の戸籍は親の戸籍、地域ベースの戸籍、本籍(父系親族の本拠地)などの複合体であり、本籍の変更はできない。親の戸籍は結婚や外地の大学に行く時に抜けられるが、それ以外の場合は難しい。地域ベースの戸籍は医療保険などの資源不足から完全に自由に移せるわけではない。 という
日本のような親族のみを中心とした戸籍制度ではなくとも、戸籍制度が日本にしかないというのは誤った表記でしたので加筆訂正させていただきました。
戸籍制度の書籍も読んでいきたいですね、、!



3種届出RTA

Hさん 「そういえば昔の社長が、結婚届、出産届、離婚届を3枚重ねて出すってのをやっていた」

Hさん 「結婚届、出産届、離婚届を3枚重ねて役所にもっていって、はい、この順番で受理お願いしますって」

Mさん 「あ! 産むときは結婚してましたよ、2人の子供ですよって証明で結婚届を出しておくのか」

Kさん 「『僕のターン! 結婚届を提出、受理をまたずに出産届、離婚届も提出! ターンエンド!』

Tさん 「結婚離婚RTA............」

Hさん 「非婚・反婚界隈ではよくある手みたいだね」

Hさん 「まあ、結局、同日に受理はできないから離婚届は翌日持ってこいと言われたみたいだが」

Hさん 「ちなみに子供3人いるからこれを3回やったって言ってた」

Tさん 「もう、みんな、法律のバグ技ばっかりポンポン出てくる笑」

Bさん 「バグ技を探して生きていきたい」



⑤ 男女平等に耐えられなくて地元に帰る人 東京と地方の意識差


Rさん 「うちの家族、すごいマスキュリン(男性性;ジェンダー学用語)で。男女平等を『信じてない』んですよね。AO入試の面接対策を家族3人でやったとき、過去問の課題がジェンダーについてだったから何も対策にならなかった笑」

Hさん 「それ、逆に鍛えられるんじゃないの笑」

Kさん 「そういえば昔の同僚が『東京は男女が平等で耐えられない!』っていって鹿児島に帰りましたね」

Dさん 「ナニソレ!」

Tさん 「え、それ女性ですか、男性ですか」

Kさん 「男性男性。女性は逆に『二度と帰らない』って言ってる」

Bさん 「東京と地方で意識違うよね~」

Mさん 「東京は女性が主な稼ぎ手の家庭も珍しくないし、うちの家族の女は夫を扶養に入れたり、何もしない男を夫にしたり、みんなそんなんだから......」

Bさん 「男女が平等で耐えられないってどういうことだよ」

Kさん 「まわりがみんな男女平等だと自分の中の価値観が揺り動かされちゃうのでは」

Tさん 「怖い............やっぱり高ゲタが脱げないってことなんですかね............」




⑥ その他 補足

 社会が「幸せだよ」と呈示するものをそのまま受け止められない人、ばかりが集まっていたので「結婚へのあこがれ意識」みたいなものは全然聞けませんでした。

 なので、補足的に会のほかでわたしの知人に聞いてみた。

 すると、2つ


・一緒にいたいという愛の形としてあこがれがある
・効力のあるウェディングドレス姿が見たい


という回答を得られました。


「一緒にいたいという愛の形としてあこがれがある」のほうは、あわせて「5年おきに結婚契約を更新する」という友人の話を紹介してくれました。「結婚は契約だから、5年おきに意思確認を行う」ということです。


また「効力のあるウェディングドレス姿が見たい」と答えてくれた知人のほうは、補足で「つまり、結婚という文脈以外で着られるウェディングドレスには何の効力もないんだよ!」と熱く語ってくれました。ちなみに、実際に結婚届を出せばいいということではなく、結婚届を出さず挙式だけ挙げるという形でも良いそうです。


この知人は結婚式をやりたい理由も「ゲームの実績解除みたいな、一度やっといたほうが楽しいかなみたいなイベントとしてとらえてる」と話しています。


「だって奥さんいたら家事全部やってくれるし」とか「子供が欲しいから」みたいな理由で結婚したいと望むのは(個人的には)かなり嫌なんですけれど、あくまでウェディングドレスの効力にこだわるところも含めてほんとうに「楽しそうだから」結婚してみたいんだな、と思えて良かった。


結婚へのあこがれというのは、案外こんなものなのかもしれない。



⑦ 今後やっていきたいこと



<discord会で出た未解決問題や意見>

・おこづかい問題(無職の夫へのおこづかいはどうする? 専業主婦へのお小遣い問題とおなじ)

・やみくもに結婚制度を否定するというよりか、結婚制度自体を存続させていったうえでどうするか、などの建設的な議論



<読んでいきたい本>

・『結婚と家族のこれから』 筒井淳也 (会長は既読 / 良かった)

・『「家族の幸せ」の経済学』 山口慎太郎

・『21世紀家族へ - 家族の戦後体制の見かた・超えかた - (第四版)』 落合恵美子

・『<若者と親>の社会学   - 未婚期の自立を考える - 』 岩上真珠 

・『仕事と家族』 筒井淳也


など


ほかにおすすめの本などありましたらお教えください!!!



また、今回の会を発展させて色々やっていけたらなーと思っております


よろしくおねがいいたします  (*^^*)(*^^*)



人生研究会(上智大学非公認インカレサークル)

人生に関わるあらゆるものを研究するサークル『人生研究会』のサイトです。活動目的は「たのしく生きる」。活動内容はAboutページの参照をお勧めします。誰でも入会可。

1コメント

  • 1000 / 1000

  • 2020.09.04 14:19

    こんにちは。楽しく生きられるかどうか、は、そう、しようと思っても、出来るものかどうか、わからないものですが、人生を研究するのは良いことだだと思います。それが、楽しい。